(ティアラ文庫)「世界さえ滅ぼせる大魔法使いに嫁いだ姫の物語」感想

金の籠 世界さえ滅ぼせる大魔法使いに嫁いだ姫の物語(ティアラ文庫)金の籠 世界さえ滅ぼせる大魔法使いに嫁いだ姫の物語(ティアラ文庫)
著者:青龍 つかさ
販売元:フランス書院
発売日:2010-04-02
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かわいらしい小説だと思います。
ティアラ文庫の売りである例のシーン、えへへ、アレですよアレ(うひひ)、そのシーンも最後にちょろっとあるぐらいで、ぜんぜんエッチくないです。
あと物語の中間ぐらいに未遂が1回ありますけど、これもあっという間に終わります。

あま〜い、あま〜いストーリーに仕上がっていまして、エッチシーンも、エロでなくてラブです。そんなわけで、物足らない人にはとことん物足らなく(あんたも好きねえという人)、エロよりラブだわという人にはとてもほんわかした感覚をもたらすでしょう。


じゃあ、エロ中年である僕みたいなおっちゃんが物足らないかというと、そんなわけじゃなくって、これがまたいろいろと悶えたりしました。
乙女乙女していいんじゃないですか?
ヒロインとお相手役の男が、一緒に料理したり、一緒にクッキー焼いたり、男がお風呂に入っているのを覗き見したり(半分うそ)、うーん、魔法使いと王女というとても雲の上の人たちの物語でありながら、やっていることはとても庶民的(笑)
そんなストーリーがずっと続くんですよ。

ちょっと話の抑揚が足りないかもしれない。
結末が途中でわかるかもしれない。


でもね。
この小説は、そんなヤボなこと言わず、昔純粋な頃持っていた「恋に憧れる心」を思い出して、読むべきなんだと思います。
エロ中年も最初からエロ中年ではなくってね(僕のこと)。昔は純朴な少年だったのですよ。それでね。ちょっとそんなときの気持ちを思い出したもんだから、悶えちゃったんでしょうね。
面白く読ませてもらいました。


追記
わかつきひかる」さんの「王子が恋する女神姫〜薔薇と陰謀の舞踏会〜」の記事(感想など)を書いています。ページはこちらです。
また、そちらには、これまで書いた既刊のティアラ文庫の感想へのリンクもはっています。
ぜひご覧ください。