[]書評「放課後トゥーランドット」

放課後トゥーランドット (一迅社文庫)放課後トゥーランドット (一迅社文庫)
著者:みかづき 紅月
販売元:一迅社
発売日:2009-04-20
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音楽を扱った作品ですし、感想も音楽つきで・・・
ということで、これを聞きながら感想もお読みくださいね。
(そうやって、内容のないのをカバーするのが常套策になっていたり・・・)





P26に書いてあるアリア「この王宮でそれは幾千年も前のことでした」です。
わざわざ書いているということは、「みかづき」さんはこのアリアがお好きなのでしょうね。

実は・・・ 「めたぼdeぽん」は、オペラ好きとか以前に書いておきながら、「トゥーランドット」通しでは聞いた事がなくって。
そこで買いました。コレ!

プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
アーティスト:カラヤン(ヘルベルト・フォン)
販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック
発売日:2008-01-16
おすすめ度:5.0
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おお! これはすごいよ。演奏もいいのだけど・・・ なによりも・・・
「スペクタクル」だわっ!


ちょっと言い訳すると、トゥーランドットってプッチーニという作曲家の遺作だったりして、途中で絶筆しちゃうのですね。最後のほうは他の作曲家が書いたものだったりするのが、ちょっといやだったり。
それに、トゥーランドット姫よりも、召使のリュー(女性)が純愛で純愛で・・・
純愛を貫いて最後は主人公のカラフのために自殺します。僕はこういった展開が実は苦手で、何度聞いても目から汗がでてしまいます。そしてそれで自分のヘタレさを思い知らされて、落ち込んだりするのがイヤだったり。

いえ、食わずぎらいでした。すばらしい音楽です。きっかけを与えていただいた「みかづき」さんに素直に感謝いたします。もう一度言います!
「スペクタクル」だよっ!

前置きが長くなりました。

学園生活に、トゥーランドット的なものなど普通なさそうですけど、そこに「部活動不覚悟制度」!
最初は、「なんじゃあ、そりゃあぁぁ!」と思いましたが、この一発で、学園は「トゥーランドット」の世界に。(笑)
素直にこの発想すごいよ。そう思います。

ヒロインの楼蘭様はトゥーランドット姫で間違いないとして、もう一人でてくる渚さんは、これは召使のリューですよね。いや、男として、トゥーランドット姫よりリューの方が好ましく思う人多いんじゃないかと思いますけど、この作品でも「渚さん」萌えの人のほうが多そうでしょ?
主人公の僕こと千尋くんは、とても頼りなくしたカラフだし、吹奏楽部の連中はまとめて、道化のピン・ポン・パンだと思います。
うん、配役まで「トゥーランドット」の世界!

物語は、楼蘭様(トゥーランドット)の出す3つのなぞなぞとともに展開していきます。これもまた「トゥーランドット」ですよね。なぞなぞもよく考えたなと感心したりしますし。

そして、(個人的には)もっとも興奮する出来事が。
「夜の女子寮に忍び込むぅぅ!」
すばらしい! これこそ男の夢です。いやなんといっても・・・
「スペクタクル」だあああ! (それかいw)

そうして物語は、一挙に終焉へ。すべてのなぞなぞに正解を出した主人公に憎からぬ思いを抱き始めた楼蘭様は、ずっとわだかまっていたあることに気持ちの整理がついて、そして凍った心が少し解けはじめます。
あぁ、これもまたトゥーランドットの世界・・・
いいよねぇ・・・ 
みかづき」さんってほんとに音楽好きなんでしょうね。


読み終わって・・・
無性にオペラ見に行きたくなりました。10年ぐらい行っていないし。
ということで、こんなの見つけました。

新国立劇場高校生のためのオペラ鑑賞教室 「トスカ」
2100円! これは安い。よし、高校生に変装して・・・(無理だって;;)

ああ、どこか安いチケットないかなあ。

さて、おふざけもいい加減にして、「トゥーランドット」といえば、主人公のカラフのアリア「誰も寝てはならぬ」が有名です。

最後に、ポール・ポッツさんの「誰も寝てはならぬ」を紹介します。
知っている人も多いと思いますが、何回みても目から汗がw
知らない人はぜひ一度ご覧ください。
では、また。