(ティアラ文庫)「アラビアンズ・ロマンス」感想

アラビアンズ・ロマンス―花嫁は王の腕で微睡む (ティアラ文庫)アラビアンズ・ロマンス―花嫁は王の腕で微睡む (ティアラ文庫)
著者:仁賀奈
販売元:プランタン出版
発売日:2009-08-03
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この作品は・・・
ある意味、ティアラ文庫らしい作品だと思います。

どんな意味で? それはね・・・ 印象として半分ぐらいは(文字通り)濡れ場シーンなわけで、主人公(ヒロイン)はいつもお相手役のカルディール王子にキスされ愛撫され、セックスされています。
お相手役の男はどうも「精力絶倫」のもよう・・・

ええ、正直申し上げて、僕は、このお相手役に男として二枚も三枚も十枚も百枚も負けています。いや、普通負けますって。
たぶん僕を含めて男性読者は、この作品を読んで打ちのめされることでしょう。

アラブの王子様で実質的には国を統治し、
豊富に石油が産出するため国も王室も豊かで、
容姿はきわめて優れ、
国の統治能力も素晴らしく、
主人公(ヒロイン)の寧々をとことん愛し、ゆるぎなく、
寧々が窮地に陥れば、必ず助け、
普段は寧々の体や心に気遣い、
チャンスがあれば常に強引に体を求め、
強く寧々に執着し、浮気をせず、永遠の愛を誓い、
精力絶倫で性戯もうまい・・・

うん、正直に言うとね、こういう男でありたいと思うのよ。でも無理だよね〜

ところが、寧々は、こんな完璧男がそばにいてもつれない態度をとったりするんですよ。
結婚の儀式までは処女じゃないといけないので、お相手役との行為は手や口の愛撫までだけど、お互いに愛し合って結婚した後は、何度もセックスするんです。
でもね・・・
セックスや行為の後、その都度次の日あたりには、寧々はふらっとしてしまいます。それによって、寧々は無意識にカルディールの愛を試しているのですが、その都度カルディールはこれ以上ないくらいに、無二の愛を寧々に示します。
そりゃだんだんと寧々もカルディールのこと悪からず想うようになりますよね。そして、寧々がカルディールのことを好きになればなるほど、寧々はいろんなことをしてカルディールを試すのが楽しくなっていくみたいです。特に、カルディールが嫉妬するのがうれしくてたまらなくなっていきます。

いやあ・・・ 「女ってめんどくせー」(ダメ男読者の叫びw)

正直男性読者がこの作品を楽しめるかというと、かなり微妙なんですが、これくらい完膚なきまでに叩きのめしてもらえれば、それはそれでアリなんじゃないかと思うのですね。

ということは、逆に・・・
女性は、この作品をきっと面白いって思うだろうなと、心から思います。
これぞ、女性のためのティアラ文庫って感じですね。


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