(メガミ文庫)「不思議の国のミュート」感想

不思議の国のミュート
不思議の国のミュート

amazonには、画像がないので、楽天にしました)


アンドロイドの反乱という題材は、もしかすると古いのかもしれません。
だからといって、帯に「メイドロボは恋愛小説の夢は見るか?」って、これは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をもじったのでしょうけど、それに反応するのって、僕みたいなおじさんだけじゃない?

というわけで、「古くてなんでいけないんだ!」というおじさん根性丸出しの僕には、この作品はとても面白く読ませてもらいました。

「いやあ面白かったな・・・ 感想書く前に、ネットでの評判調べてみよ^^」
古い、定番、属性ありならいけるかも・・・(※)
「・・・。僕の感性って、やっぱり古い? 帯の売り文句にも反応したしな・・・。ははは(乾いた笑い)」

※ 他の人の感想はぐぐってください。リンク貼りませんので。


こんな感じで、感想を書くテンションが下がっていますが、それでも言いたい!
「僕は面白かったと思いますよ。ええ、僕は古い感性ですよ。定番好きですし。松本零士さんのセクサロイドに反応しましたし、属性持ちですが、それがナニか?」


このようなアンドロイドを扱った作品には、ひとつの共通のテーマがあると思います。
それは、生命とはなにかという問いかけです。
あまりに人間らしいアンドロイド、見かけでも、表情でも、しぐさでも判断できないほど人間らしく、心すら持っているとすれば、それでもアンドロイドは機械なのか? 死とか恐怖とかの感情や概念を持っているアンドロイドを、機械として処理できるのか?

「やっぱり、機械は機械だよ?」という方には、じゃあサイボーグはどうなんでしょうという問いかけも用意されています。脳のほんの一部しか残っていないサイボーグなんですけどね?

サイボーグも機械だという方には、最後に、人間らしい心を失った人間はどうでしょう? それはヒトですか?

クライマックスは、アンドロイドを憎悪しヒトらしい心を失った人間と、廃棄処分の撤回を望むアンドロイドとの戦いになります。主人公とアンドロイドのヒロインは、そんな戦いからの脱出しようとしています。
そんなシーンの中で、誰を応援していますか?
たぶん、それが自分の持っている生命感を表しているといえるのではないでしょうか。

最後に・・・
この作者さん、戦闘シーンとか、戦闘部隊(人員や車両)の書き方がうまいというか、手馴れていると思います。
全編にわたって戦闘シーンが続きますが、そういった物語を読みたいのでしたら、おすすめします。







メガミ文庫のそのほかの作品の感想とかメガミ文庫に関係したエントリーは、こちらからご覧ください。