[]雑誌「Sweet」は、競争優位の戦略の成功事例だと思う。

えーと・・・
唐突ですが、これを買いました。

sweet (スウィート) 2009年 08月号 [雑誌]sweet (スウィート) 2009年 08月号 [雑誌]
販売元:宝島社
発売日:2009-07-10
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この雑誌が女性誌で一番販売部数がでているんだそうですよ。
表紙は、安室奈美恵さん。実はファンだったりして。
BEST FICTIONBEST FICTION
アーティスト:安室奈美恵
販売元:エイベックス・エンタテインメント
発売日:2008-07-30
おすすめ度:4.5
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最近のでは、こんなのも買っていたり^^

一番好きな曲はこれですかね〜 BGMにどうぞ。


さて、今日ご紹介したいのは、次の記事です。

2009年 オトコのための女性誌講座!! 〜キーワードは「付録」と「自分流」〜

もともとライトノベルを読み始めたのは、「涼宮ハルヒの憂鬱」の成功を、日経ビジネスオンラインで知って、マーケティングの興味を持ったからでした。ハルヒは、インターネットによる口コミマーケティングに新しさがあって「ずいぶんとマーケティングに長けた業界だなあ」と感心したからウォッチし始めました。
それから、約2年ほどたっていますが、ずっと新しい成功例ってないかなあと探し続けていたんですよね。今年は「1Q84」とか「けいおん」も注目していたのですが、どうも一過性、単発のヒットっぽいんですよね。トレンドになるようには思えないし、そろそろ収束しそうです。

女性誌というのは、僕が男性なため、まったく門外漢な領域でした。なので上でご紹介したサイトに記事がでて、ようやくヒットした事実を認識したという、なんとも鈍い状況です。しかし記事を読む限り、探していたオーソドックスなマーケティングの成功例みたいなんですよ。

特に注目したのは、上記の記事の12〜17ページの宝島社の成功の秘訣についてです。
要約すると・・・
1.ファッションの流行が「モテ」系から「自分流」へ変化した。
2.雑誌作りから流通、販売、プロモーションなど雑誌が読者の手に届くまでのすべてのプロセスについて話し合う「マーケティング会議」を行った。
3.マーケティング会議は、社長以下、編集長はもちろん、宣伝、広報、販売、広告の責任者など、各部署が集まって行われる。
4.マーケティング会議を始めたのは、「マーケティングを導入して、雑誌を、より読者のニーズに応えられる“商品”として完成させるため」
5.マーケティング会議では、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)に関することを中心に幅広い内容が議論される。
6.例えば、製品面では、例えば表紙のレイアウトなどが議論され、価格面での変更例としては、価格の大幅な値下げがある。
7.プロモーション面では、全女性誌で販売部数トップになり、初めて60万部を発行する時には、同社の雑誌に愛着を持ってもらおうと、書店員約50名を6台のリムジンに乗せて、印刷工場の見学ツアーを開いている。
8.宝島社といえば、もう一つ大きな特徴がある。それはブランドアイテムと呼ばれる「付録」だ。メーカーや企業の売り込みからではなく、編集部内で読者が欲しがりそうなアイテムを企画し製作する。
9.一つひとつの商品を大事にし、緻密なマーケティングを行ったことが、宝島社の好調の理由だと言えるだろう。

これは、ポーターさんが「競争優位の戦略」で言った「バリューチェーン分析」だと思うのですね。
競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか
著者:M.E.ポーター
販売元:ダイヤモンド社
発売日:1985-12
おすすめ度:4.0
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バリューチェーンの詳しい説明は、こちらを見ていただくとして、図を拝借しましたので、これで説明します。

バリューチェーン(出所:「競争優位の戦略」「国の競争優位」)
valuechain











マーケティング会議は、このバリューチェーン分析を実地に行う会議といえるでしょう。
調達物流の分野では、付録の物流があげられます。付録は中国製でした。60万個以上の付録が一挙に日本にやってくるわけです。そこでの問題等を改善していかねばならない。
製造オペレーションは、いわゆる編集です。
出荷物流は、通常の再販ルートを使っていると思うので、優位性はあまりなさそうですが、マーケティングと販売が、さきほどあげたプロモーションでしょう。
その他、付録の開発は、技術開発と考える事もできますし、こういった価値の創造がうまくいっている、そんな印象を持っています。

ポーターさんは、競争優位の戦略という本の中で、競争の戦略は大きく分けると2つであると言っています。
差別化戦略」と「コスト優位戦略」ですね。

「Sweet」は、当初魅力的な付録をつけることで、他誌との差別化を図ったわけです。(差別化戦略)そこにシミュレーションを持ち込み、販売単価を下げた。それによって部数を拡大し、付録そのものの品質を向上させることができた。つまりこの時点で、付録をつけることに追従してくる他社(他誌)との間に、コスト優位が築けている。(コスト優位戦略へ変化)

そのため、後発の他誌は、当面かなり苦しい戦いが待っているように思います。
例えば、ファッションの流行が「自分流」から「コンサバ」に変化するとか、「Sweet」の付録のブランドが凋落するとか、なにかないと大きな動きはかわらないんじゃないか、なんて感じたりしています。

いずれにせよ、まだ調べ始めたばかり。
ライトノベル」や「アニメ」は、昔読んでたり見ていたので、読者視聴者としては、まだわかる分野だったのですが、女性誌となるとねえ・・・

「モテ」系とか、コンサバとか、急遽覚えたばかりで、実際の服をみせられて、「これなに?」と聞かれてもわかりません。どうしよう・・・
どこまで自分のものになるかは、ちょっと自信がないのですが、女性誌もこれからウォッチしていこうかなと思いました。

中年男が女性誌のコーナーをうろつく図というのも、ちょっと腰がひけたりするんですけどね・・・(泣)