[]書評「ぱんどら」

ぱんどら (MF文庫J)ぱんどら (MF文庫J)
著者:西野かつみ
販売元:メディアファクトリー
発売日:2009-06-25
おすすめ度:4.0
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この作者は、「かのこん」という作品をすでに12巻書いているという方ということです。「かのこん」読んでいないので、それがかなりエロっぽいということしか知りません。

この作品は、すらっと読めました。1時間ちょい?
読者がつまらず苦労せず読むことができる文章というのは、うまい文章なんだと思います。この作者さん、手馴れていますね。さすがは、12巻のシリーズを書いている人だと思います。

さて、ストーリーですが、ケンカにとっても強い主人公キヨタカくんの前に、ひとりの体形小学生のロリ女子高生が現れます。そしてキヨタカくんを「しもべ」にします。
そして、パンドラの箱(ええ、あのパンドラの箱です)を開けて放たれた災厄をひとつずつ集めて回ることになります。
今回集めたのは、色欲、暴食、郷愁、恋慕・・・
いやあ、なかなかエロそうでしょ?(笑)
そして希望(この物語では、箱に希望が残ったのじゃなくて、希望が災厄の元締めみたいな役割みたいなんです)をおいつめますが、手下とともに逃げ去ってしまう、こんなストーリーですね。

シリーズものにするという意図ありありの1巻です。
最初の約3分の1は、この作品の設定の紹介にあてられていますが、それが説明くさくなくって、ちゃんと面白いストーリーになっています。
そんなあたりも、この作者さん、手馴れていますね。

この「ぱんどら」は、プロの作家が意図をもって、きっちりと(でもちょいエロで)仕上げた佳作です。
つかの間現実から離れて頭を休める事ができる、そんな作品だと思いました。