(ティアラ文庫)「執事ときどき彼氏」感想

執事ときどき彼氏

執事ときどき彼氏 (ティアラ文庫)
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4回。これはフォーマットになるかもしれないなと読み終わって感じました。
え? よくわからないですか?
ティアラ文庫売り物の、「セックスの回数」です。

ストーリーものだと、乙女の危機1〜2回、好きな男性とのセックス1〜2回のものが多いですね。
それに対して、エロもの(って表現はよくないですかね?)は、4回というのが標準になっていくのではないかと、この作品を読んで感じたわけです。

男性向けのポルノ小説は、行為そのものの描写が重要ですけど、女性向けの場合は、やはりセックスに至るまでの心理とか出来事が丁寧に書かれているのを好むのではないかと思います。
そこでストーリーと、行為描写のバランスがちょうどいいのが、4回なのかもなあと思いました。

この作品は、お嬢様のユノと執事のグレンの物語です。
ちょうど分量的に半分に分けて、前半と後半でがらっと中身がかわっていきます。
前半は、お嬢様が執事への恋心に気づいて、あーだこーだ悩みまくるストーリーです。告白したり、迫ったりしますが、まあ男性の目からみると、子供っぽくてかわいらしい感じです。
それに対し、後半はある出来事からお嬢様と執事が結ばれてからは、ずっとセックスの描写が続くという、男性向けポルノ張りのストーリー展開となります。
途中、典型的なやられやくキャラがでてきたりはしますが、だんだんと官能を開発されていくお嬢様の高まりを一緒に楽しむ。そんな作品です。

男性が読んでも、かなりいけるんじゃないですか?
セックスの描写は、女性向けらしく上品ですから、ハードな描写が好きな人にはちょっと物足りないかもしれませんが、逆に女性視点で、ああこんなふうにされたいんだと勉強になったり(笑)


こういった性の描写は、自分の好みが強くでるものだと思います。
よく属性とかいう表現を使いますが、執事属性がある人とか、イクまで続く丁寧な前戯がうれしい人とか、自分への曇りなき忠誠心を求める人とか、そんな人でしたら、この作品はよいと思います。


これまで、エロものでおすすめにしたのは、ヴァンパイヤの話だったり、百合だったりしたので、今回ノーマルな男女のエロものとして、おすすめしたいなと思います。






(追記)
わかつきひかる」さんの「王子が恋する女神姫〜薔薇と陰謀の舞踏会〜」の記事(感想など)を書いています。ページはこちらです。
また、そちらには、これまで書いた既刊のティアラ文庫の感想へのリンクもはっています。
ぜひご覧ください。