[]雑感・・・

えーと、なんじゃそれという題名になってしましましたが、一応「わかつきひかる」さんを応援するという佇まいは守れている投稿になるはずです。

まずは最初にお断りを。
この投稿は、同じ苗字を持ち名前が違う作家さんの区別がついていない投稿かもしれません。でもね。そんなのは、「読んだらわかるよ」ということでお許しください。

では、本題に・・・

なんで、こんな投稿を書くかというと、やはり昨日読んだ「いっぱい飲んでね」の印象が残っているからなんでしょうね。

「いっぱい飲んでね」もポルノ小説ですから、お約束事は満たさねばなりません。わかつきさんのブログを読むと、ポルノ小説には様々なお約束があるようです。ただ、僕の感覚で言うと、最大のお約束事は、ヒロインの感じているさまを描ききることではないかと思っています。

男の場合、セックスのとき、されている時間より、している時間の方が長いんじゃないかと思うのですけど、人それぞれなのかな? 
なにかしている時(いわゆる前戯のこと)って相手の女性の感じている姿を見て興奮していると思うのですけどどうでしょう。もっともよく観察していないといろいろとうまくいかないから、頭の半分ぐらいは覚めている感じかな?

小説を読むという行為、これは頭が覚めていないとできないですよね。一方、小説の中でのヒロインが感じている姿を想像することで興奮するのがポルノ小説だと思いますが、僕の場合、頭の覚めた感覚と興奮の感覚のバランスが、なんだかちょうどよいらしく、なので小説が、マンガとかAVとかよりも好きらしいのですね。
これこそ人それぞれだと思いますけど、ヒロインの感じているさまを描ききることが最重要と書いた理由です。

ところでね、「いっぱい飲んでね」を読んでいる最中、正直に書くと、ちゃんと頭の中も下半身もね、興奮はしていたのですが、一方半分覚めている頭の中で、わかつきさんが以前週刊アスキーに書いていた「週アス漫研」の記事を思い出していたりもしてました。

鋼の錬金術師」のレビューの回だったのですが・・・
(引用はじめ)
私は、ポルノという、消費される小説を書いています。読んで楽しく、深刻にならず、実用に供することをめざしていますが、さっぱりすっきりそれっきりになることに、疲れてしまうときがある。ポルノ小説の描くセックスは、命を生み出さないのです。
(引用おわり)
ええ、それはそうだと思うのですけどね。
たしかに、「いっぱい飲んでね」に母乳は出てくるのですが、赤ん坊のことは最初にちょっとだけしか書かれていないわけです。まあね、途中で赤ん坊が泣き出すシーンになったりすると、読者の興奮も一挙に醒めてしまうでしょうから、当たり前なのでしょうけど。

ところで、話は変わりますが、最近のわかつきさんの美少女文庫の作品3つ・・・「ボクの女神は淫魔サマ!?」「ガールズ☆レッスン」「お姉ちゃんがいちばんでしょ!?」と続けて読んでみると、以前の作品と比べて、ヒロインが精液を欲しがる思いがとても強く描かれるようになったなと感じています。特に「淫魔サマ」はサキュバスだものね。男の精でもって生きているわけで。「お姉ちゃんがいちばんでしょ!?」はヒロインが精液をもらった結果妊娠する。主人公とヒロインは結婚し、幸せな家庭を築くエンドを迎えます。

次にティアラ文庫の「王子が恋した女神姫」ですけどね。ここでは多数の登場人物の死が描かれています。幽霊として再登場しない死を描いたのは、この作品が初めてで唯一のものです。

もう少し例示してみましょう。
週アス漫研で「BLEACH」が取り上げられていましたし、美少女文庫でも「ラブデス」で死神がでてきます。最近出版された「天使はいつも忙しい」も誤って死神が魂を狩ってしまうことからはじまります。

「AKUMAで少女」シリーズ、「放課後の世界征服」シリーズは悪魔が出てきましたし、「ふたかた」では双子の姉が事故死し幽霊となってとりつく、そういえば幽霊は「AKUMAで少女 憑かれてぽよん」にもでてきますよね。

そろそろ例示はいいですかね。
キーワードを並べてみます。

子宮頚管粘液、精液、子宮感覚、母乳、赤ん坊、女神、死神、天使、登場人物の死、悪魔、幽霊

ジュブナイルポルノも大人向けの官能小説も「性」を扱うものですが、「性」は「生」に繋がるもの。そして男の「精」は「生」をもたらすもの。そして「生」の反対である「死」とそれを司る者。

最近のわかつきさんの作品は、「命」というものを強く意識したものに変わりつつあるのではないか、そういう思いをことのほか強くしたのです。
ちょっとジャンルの約束事がそれを許さないのかもしれませんが、わかつきさんは、本当は、「命」をテーマに作品を書きたいのかもしれないな。そう思いました。

この投稿は、雑感ですから、まとめは書きません。というか、まとめきれるほど、深く考え切れてもいません。
なので、最後に先ほど引用した「週アス漫研」の「鋼の錬金術師」の回から、別の部分を引用して、この投稿を締めくくりたいと思います。

(引用はじめ)
かつて、同じテーマで漫画を書き続けた作家がいました。手塚治虫です。この漫画を読んでいると「火の鳥」や「ブラック・ジャック」「どろろ」を思い出すのです。だって、「鋼の錬金術師」のテーマは”命”なのですから。
漫画ってスゴイなって思います。古今東西の哲学者が一生をかけて挑んだテーマを、こんなにも軽々と表現してしまえるのですから。
(中略)
大人である私は、消費社会のただ中で、セックスさえも、消費される媒体であることを知ってます。「鋼の錬金術師」は、そんな疲れた大人にこそ読んで欲しい漫画です。「命は、はかないからこそかけがいがないものなのだ」という作者の荒川弘のメッセージが、痛いほど胸に響くと思うから。
(引用おわり)