(美少女文庫)みやま零さん、同感です。

みやま零さんのブログで、「ささいなこと」という記事が投稿されました。
はじめに、勇気を持ってこのような記事をお書きになった「みやま零」さんに敬意を表したいと思います。
僕もこの記事に書かれていることに同感します。

みやまさんのこの記事は、どなたかがWeb魚拓をとっておりました。
(魚拓をとったのは私ではありません。調べたところ、既に残されていました)
Web魚拓はこちらです。


たしかに、「さいみん!」が出たときに、ネットでは話題になっていました。
ロゴが似ている、パロディだってことで。
「さいみん!」はベテラン作家さんの作品ですし、それだけで売れたわけでもないだろうと思っていますが、たしかにロゴは似ています。

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)
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さいみん! (えすかれ美少女文庫)
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今回の新人さんのは、タイトルがね、あまりにわかりやすくて。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
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ウチの妹がここまでMなわけがない (えすかれ美少女文庫)
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これは、タイトルがパロディなだけで、みさくらなんこつさんの表紙絵は全く似ていないですね。よかったよかった。


まずは、法律的な整理を・・・
これらの事例は、「著作権法」上は問題ないですよね。表紙絵は全く異なりますし、タイトルには著作権はないですものね。ただ、ロゴは微妙だったりします。
「商標法」というのがあるんですよ。トレードマークとか、サービスマークとかを登録できるのですけどね。「けいおん!」は、芳文社が2009/9/10に商標の出願をしていまして(商標出願2009-69419)、そのあたりは特許庁のホームページで確認できます。
問題が起こったときのための保険の意味合いが大きそうにはみえますけど、類似群(類似品を排除できる範囲)に書籍もはいっています。



ところで、みやまさんのブログを見て、僕は昨日、10/28にNHKで放映された「追跡AtoZ」の「安売り競争は何をもたらすのか」という番組を思い出しちゃいました。

東京の東村山のとあるソースメーカーの話だったのですが、そこは独自のソースを少量多品目で作っているメーカーでした。しかし、工場の遊びをなくすためにあるスーパーのプライベートブランドを生産する事になったのがことの発端です。
プライベートブランドは、とても薄利ですが、なにぶん量がでます。そこでその会社では、工場を新設してプライベートブランドの大量発注に対応できるよう生産能力を増強しました。一方、品質は落さず精一杯の製品を作り続けたそうです。
当然売上は大きく伸びますよね。工場を新設するぐらいですから、最初は利益も上がったのではないでしょうか。
しかし、その後の経済環境の変化、すなわちモノが売れずデフレがすすむという変化が、その会社を苦しめていきます。当初、5%ほどだったプライベート販売向け商品生産の比率は、最後には3分の1まで拡大していきました。そして、モノが売れないことの影響で、スーパーからペイバック(業界を知っている人だと分かると思いますが、販売協力金という名目でメーカーから小売へ販売数量に応じてお金を払わせる業界慣行があるんですよ)を求められたようです。
そこでそのメーカーは経費削減を実施します。社員の人件費を削るため、賃下げを実行します。その他さまざまな努力を行ったようですが、スーパーからの度重なる要求に、ついに原価割れを起こし、メーカーは製品を作れば作るほど赤字が広がるという窮地に追い込まれました。
このままだとあと7年で会社は倒産するという試算結果がでて、ついにその会社はプライベートブランドから撤退しました。

飲食店や食品メーカーに対する提案型営業力と、それを支える新商品開発力、少量多品目生産がその会社の強みだったのですけどね。気づいたときにはそういった強みは失われていました。
そりゃそうですよね。
いくら新商品を開発しても、工場のラインはプライベートブランドの安い製品の生産で手一杯。新たな売れるかどうかわからない製品なんて作らないですよね。また作ったとしても少量しか生産しない製品は、業績にほとんど影響を及ぼさないわけです。
営業だって、地道に飲食店とかを回って、その会社のソースを使った新たな料理を提案してソースを買ってもらっても、量はしれてますものね。だから、プライベートブランドを販売するスーパーべったりの営業になるわけです。そうして提案力が失われていきます。
大事なのは、社員をはじめとした「関係者の心」のように思います。「どうせがんばっても仕方がない。だって他のところで勝負が決まるんだもの」という気持ちの蔓延は、どんな会社だっておかしくしてしまうでしょうね。
その原因は、「他人の力を頼りすぎたこと」。一見まどろっこしくて、成果のあがらない方法ですが、愚直に地道にやっていくことが大事なんだと思います。

その番組では、そのメーカーは原点に帰るべきということで、元のやり方に戻して活動する社員の姿を映して終わりました。その気持ちが報われて欲しいという思うのと同時に、もしプライベートブランドなんてやらずに、ずっと以前のスタイルを貫いていたらどうなっていたのかなと思わざるをえませんでした。
その会社が危機を脱出できるよう心から祈っています。


さて、話は変わりますけど、僕は、わかつきひかるさんのファンとしてはまだ歴が浅いので、著作を読んでいく際に、読み終わる都度ネットで評判を読んでいました。いろいろと知りたかったからです。
そうすると、わかつきひかるさんの作品にも、そういった「パロディではないか」という書き込みのある作品がありました。

銀盤カレイドスコープ〈vol.1〉ショート・プログラム:Road to dream (集英社スーパーダッシュ文庫)
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銀盤プリンセス―生意気なMドレイ (美少女文庫)
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わかつきひかるさんのファンとしては、パロディなのかはとても気になったので、両方読みましたよ。それで「中身」は全くパロディでないと申し上げておきます。
タイトルと表紙絵は、上記の事例と同じく、全く作者にはかかわりのないことです。それを強調しておきます。
(応援Wikiにもそう記述しています。こちら
でもね。
ファンとしてはね、「パロディと思って買ったのに、全然そうじゃないじゃないか! 買って損した」という書き込みを見つけると、とても残念に思うんですよ。


この新人さんが、将来「あの・・・」という枕詞つきで呼ばれなければいいなと思います。次回作は応援の意味もあって必ず購入させていただきますね。
がんばってください。
期待しています。