(ティアラ文庫)「魔法姫の結婚」感想

魔法姫の結婚 炎の王と紫水晶の花嫁 (ティアラ文庫)魔法姫の結婚 炎の王と紫水晶の花嫁 (ティアラ文庫)
著者:ゆきの 飛鷹
販売元:フランス書院
発売日:2010-02-05
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かわいらしい物語だと思います。
実の母が身罷って、正妃から疎ましく思われた姫が政略結婚をする。
夫とは結婚式ではじめて会う。
そんな不幸なサミーナの前に現れた夫は「美形」でした(笑)
でも冷たい微笑みにかっとなったサミーナは、夫を毛嫌いするのでした。

いやあ、ちょっと笑われたからって「絶対に心を許さない!(キッ)」ってなるのは、男側からすると、ちょっとご勘弁〜なんだけどね。
でもまあ、このサミーナというお姫様には、ものすごい力があるわけで、ご機嫌麗しくなってもらわねばならないわけですよ。これがまた。

そんな状況だったら、夫のセラフィスは、優しく関心を買うように振舞えばいいところ、なんだかそっけないというか、いきなり初夜で強引にすることはないだろ!って、こっちもこっち。

まあなんていうのかな、若いっていいねえっておじさんはついつぶやきそうになるんだよね。こんなシーンを読んでいるとね。
このなんともいえない、まどろっこしさが、この作者、ゆきの飛鷹さんの持ち味なんでしょう。

この世間知らずなめんどくさいお姫様と、要領が悪い王様が、いろいろすれ違いながら、絡み合いながら、だんだんと心が接近して、最後はラブラブになる。これがこの作品のあらすじです。

もだえるようなまどろっこしさ、これが楽しいと感じられる方、そしてすれ違いの末に心を通わしてするセックスに憧れがある方、そんな方にお勧めです。

ストーリーにはやや起伏がないけれど、きっちりとまとまったラブコメディです。さらっと読めて、幸せな気分になる。そんなストーリーだと思いました。



追記
わかつきひかる」さんの「王子が恋する女神姫〜薔薇と陰謀の舞踏会〜」の記事(感想など)を書いています。ページはこちらです。
また、そちらには、これまで書いた既刊のティアラ文庫の感想へのリンクもはっています。
ぜ ひご覧ください。