[]書評「読書の時間よ、柴村くん!」

読書の時間よ、芝村くん! (一迅社文庫 に 2-2)読書の時間よ、芝村くん! (一迅社文庫 に 2-2)
著者:西村 悠
販売元:一迅社
発売日:2009-03-19
おすすめ度:3.5
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最初に一言申し上げておきたいっ!
「これはコロンブスの卵的ライトノベルだよ!」

たしかに、「文学少女」シリーズがあるとはいえ、この作品はちょっと違うと思うのですよ。
少年少女向けの過去の冒険小説という、ライトノベルとかぶる分野の物語を取り込んで、主人公たちが活躍するストーリー。だれもが思いつくだろうけど、だれもやっていなかった、それがこの作品だと思います。

そう・・・ 早い者勝ちだよね。素直にそう思います。
そして・・・ ある意味、プロットは無尽蔵じゃないですか!
さらに・・・ 誰しも少年少女時代に、物語の主人公になりきりながら本を読んだ経験はあるはず。
それは・・・ 思い出のある昔読んだ物語がこの作品の中に出てきたら、この作品をとても面白く思えるのじゃないでしょうか。
ふむふむ・・・ 悪魔のような販促手段だよなぁ。

もう2巻目が今月出版されるようです。
そりゃそうだろうと思います。

「めたぼdeぽん」は、この作品の中で取り上げられている物語3つの中で、ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」が好きで、小さい頃なんども学校の図書館から借りては読んだ記憶があります。
えぇ、この作品の中では、ほんのちょっとしか取り上げてくれていなくって、とても不満です。(笑)

でもそれも含めて、この作品の面白いところ。
千夜一夜物語は読んだはずなのに、なぜか思い出すのは「開けゴマ」しかなかったり。
シンドバッドの物語はどうして思い出せないのでしょう。不思議だったり。
アーサー王伝説は、そういえば本読んでいなかったなとか思い出したり。

この作品は、かなり昔になった(泣)少年時代の記憶を思い出させてくれる、とても夢のある作品なのだと思います。
だから、ストーリーなんてヤボなことはいいません。(でも面白かったですけどね。)
素直にいろんな意味で楽しく読みました。
この歳になるとね。そんなこともちょっと切なかったりするのですけどね。

今度でる2巻めは、なにを題材にしているのか、興味が尽きません。
出たらすぐ買います。
たぶん、そしてまた切なくなるのでしょうけど。