[]書評「みんなのヒ・ミ・ツ」


みんなのヒ・ミ・ツ (GA文庫)みんなのヒ・ミ・ツ (GA文庫)
著者:鯨 晴久
販売元:ソフトバンククリエイティブ
発売日:2009-06-15
おすすめ度:4.0
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読み終わって、ああこれなら感想書けるなと思い、あとがきを読んだところ・・・
「ありゃ、ぼくの感想あとがきに書かれているよ」
作者も十分承知ということですね。

あとがきから抜粋します。
「これってエロゲーの鬼畜ルートじゃない方の話だよね。ぜったいメインは、女の子の弱み握った上でゆすって服従させてモノにしちゃうルートだよ。そいで女の子をみんなモノにしちゃうハーレムエンドが最高難易度なんでしょ? 違うの?」

うん、これでやっぱり過不足なさそうなんですよ。

でもだ!
主人公は、女の子のヒミツを知った上で、(ヒミツを利用してアレやコレやする)誘惑に負けず、かえってヒミツを守るために尽くす、そういった(最近のラノベじゃ珍しいw)「しっかりとした」主人公なんですよ。
たまには、ヘタレじゃない主人公もいいよね。

でも、お約束というかなんというか、そうやってヒミツを守っていく間に、女の子のフラグたてちゃって(このあたりもエロゲーみたい)、こりゃヒミツを利用して女の子モノにしちゃったほうが、女の子も幸せなんじゃないかと思うことしばし・・・
まあ、たいていの男って、大なり小なり鈍感なところがあるとは思うけど、これぐらい女の子からハッキリ態度示されたら普通わかるでしょう(笑)

そう、せっかく主人公がわりとしっかりした男の子だっただけに、お約束の鈍感男じゃなくって、そのあたりもわりとよくわかる主人公の話もちょっと読みたいなと思ったわけです。
少女小説には、わりと強引な男キャラでてくるんですけどね。なぜ(男読者中心の)ラノベには、しっかり自分を持った上で、ヒロインもしっかりゲットする主人公が少ないんでしょう。

面白い傾向だなと思います。