[]書評「妄想少女」

妄想少女  そんなにいっぱい脱げません!? (角川スニーカー文庫)妄想少女 そんなにいっぱい脱げません!? (角川スニーカー文庫)
著者:東 亮太
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2009-08-01
おすすめ度:4.0
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天才的な画力を持つヒロイン、歌川ミウミこと、北原紗衣。
紗衣の書いた、二次元「萌え」キャラは、その天才的な画力ゆえ、もっともそのキャラに萌えた人の元で、実体化してしまいます。

主人公の光宏は、二次元オタクの高校生。でも、クラスメイトの美少女、紗衣に惹かれ、告白するところから物語は始まるのですが・・・
ええ、当然撃沈。
意気消沈する光宏の前に、二次元キャラが実体化してドタバタする・・・というのがこの作品です。

さらに紗衣の敵役の岡田月代は、実体化した二次元キャラをエロエロ改造し、タコの触手でエッチぃことをしようとします。
それに抗う紗衣。
二次元キャラを巡る、なんともエッチぃ戦いが、この作品の肝なんでしょう。うん、とてもエッチぃです。(太鼓判っ!)

それにしても・・・だ・・・
三次元のキャラとされてる紗衣だとか、月代とかも、挿絵では当然二次元で!?
そして、紗衣が描いた二次元キャラが実体化する絵もまた二次元で・・・

うーむ、考えてみると、とてもシュール!

文中にも提示されているけど、萌えとエロは同じものなのか、違うものなのか。
うーん、よくわからない・・・
そして、その問題を提示しているのも、浮世離れした本の中の二次元美少女キャラで。
二次元キャラに感じる萌えとはなにか。本来二次元キャラのはずの美少女たちが三次元キャラとなって、二次元キャラの萌えの話をするのだが、その感覚は、二次元キャラのものか、三次元のものか。
うーん、よくわからない・・・
さらに・・・(くどいので省略)

この作品はね。
表面だけ、さーっと読めば、単なるライトノベルぎりぎりのえっちぃ小説にしか思えないのだけど。
よくよく考えてみると、とってもシュールな、不可思議な物語だったりします。なんだか頭の中に思考の循環ができてしまい、ぐるぐる回ってよくわからなくなっているのですよ。

わーん、だれか明快な解答を出してちょうだい〜 お願い〜