[]書評「織田信奈の野望」

織田信奈の野望 (GA文庫)織田信奈の野望 (GA文庫)
著者:春日 みかげ
販売元:ソフトバンククリエイティブ
発売日:2009-08-15
おすすめ度:5.0
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みやま零さんのホームページで紹介しているのを拝見し、購入しました。
イラスト買いは、はじめてかもしれません。

さてさて、この作品ですが、ついに出た、というか、他にあるのかもしれませんが、「歴史ファンタジー小説ライトノベル版です。織田信長が女だったらというif(イフ)を書いています。そのほか、柴田勝家前田利家、松平元康(後の徳川家康)、今川義元、蜂須賀五右衛門(蜂須賀小六がモデル)が女の子になっています。なんとも荒唐無稽な作品ですね。

ところで、僕はわりと歴史小説が好きで、一時期そればかり読んでいた時期があります。また歴史ファンタジー小説も読むのですが、歴史小説、歴史ファンタジー小説には、どうも許容範囲というのがあるみたいなんですよ。

歴史小説(ファンタジーでないもの)
・できる限り史実に沿っているもの
・基本どの国の人が作者でも大丈夫

歴史ファンタジー小説
・基本的に作者はその題材となった歴史の当該国の国民か、その国にゆかりの深い人でないとダメ

どうも史観というものを押し付けられると、僕はとても不快になるようです。特に他国の史観を押し付けられるのはダメ。逆に自分がされていやなことは、しないようにしたいという気持ちがあって、作者が他国の歴史を変えて物語にしたものは、どうも楽しめなかったりします。そういった作品は、舞台を架空の国にすれば大丈夫、ちゃんと読めます。
特に北東アジアでは歴史はとてもセンシティブな話題ですし、他の地域でも宗教にからむ場合は慎重にとりあつかうべきですよね。
そういったことが気になっちゃうんですよ。

でも、この作品は、日本の歴史のファンタジーですから、ぜんぜん問題なし! わはは!と笑って一気に読みきってしまいました。
歴史(ファンタジー)小説の難しいところは、読者はあらすじを概ね知っていることを前提に書かなくっちゃいけないということじゃないかと思います。そういった制約を上回るナニか面白いものが必要なわけです。

この作品の場合は、やはり萌えでしょう。主人公は死んだ木下籐吉郎の代わりに織田信奈に仕えますが、まわりは美少女武将ばかり。わーい、ハーレムだあ。
ええ、これが正しくこの作品の魅力なんだと思います。
カッコいい女の子武将に萌える、そういう楽しみ方が正解! なんだかとっても変な気分ですが、すらっと読めてしまいました。

さて、この作品2巻目がでることが決まっているようです。
次は、美濃攻めですね。
主人公と蜂須賀五右衛門(♀)の墨俣での活躍が楽しみです。