わかつきひかる作品の今年を振り返る(4)「ボクの女神は淫魔サマ!?」

今年の4月30日に、東京駅の丸善丸の内本店に行った時のことです。
なんで丸善に行ったかというと、若月凛さんの「舞妓調教」と「舞妓誘惑」を買いに行ったからなのですが・・・
丸善は、ネットで店頭在庫を調べることができます。
当時、コミック専門店によく行っていたのですが、幻冬舎アウトロー文庫は専門店には置いていないので、ネットに情報があった丸善に行くことにしました。(いつも行く池袋の書店は在庫切れだったし)

若月凛さんの2冊は無事に購入できました。そしてなんの気なしに、わかつきひかるさんの「My女神(仮)」のタイトル決まったかなと思い、端末を操作すると「ボクの女神は淫魔サマ!?」のタイトルと発売2009年6月という情報が掲載されていました。

おお、タイトル決まったんだという思いと、え? 5月じゃないの? という思いとを抱きつつ、家に帰ってきて、応援Wikiにタイトルと発売予定を変更して・・・ 
当時は、今のURL(アドレス)ではなくて、違うところで応援Wikiを毎日せっせと書いている最中だったのですが、「ボクの女神は淫魔サマ」というキーワードは割りと上位にランクされました。そんなわけでコンテンツはほとんどないのに訪れてもらえる人がいました。
「こういった情報(鮮度の高い情報)をほしがってくれるんだ」というのがわかり、それだったら、新刊にあわせるべきだ。だから応援Wikiを「ボクの女神は淫魔サマ!?」発売までには完成させようと思いました。
そのときの当面の目標だったこともあり、この作品のことはホントによく覚えています。


そうそう、この作品、僕が唯一アマゾンに書評書いた作品です。
(下のリンクからたどってください)
今のところ11人中3人の人から参考になったという評価(低っ!w)
よかったら、ぽちっとしてくださいね。
「はい」でも「いいえ」でもどっちでもいいです。




ボクの女神は淫魔サマ!? (美少女文庫)ボクの女神は淫魔サマ!? (美少女文庫)
著者:わかつき ひかる
販売元:フランス書院
発売日:2009-06-17
おすすめ度:4.5
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さて、「ボクの女神は淫魔サマ!?」の印象に残ったシーンです。
最初はこちら・・・


それは、震度五の地震が起こったある日の、翌日のことだった。

冒頭なんですけどね。
わかつきさん、地震ネタ2回目なんですよ。ええ、それだけを書きたくてピックアップしました(笑)
前は、「恋姉妹どっちにするの?」です。
わかつきさんも自著解説で書いていますよね。こちら。「恋姉妹 自著の解説行きます。
たぶん、わかつきひかるさんは京都出身なので地震にあまり慣れていないのかもしれませんね。僕も関西に7年ばかり住んでいましたが、ある一時期を除いて関西ではほとんど地震ありませんでしたから。
まあ、ある一時期はとても地震が多くていろいろと大変だったし、正直とても怖い思いをしたので、地震ネタには未だに反応してしまいます。

ということで、次に・・・


「ただいま!」
「お帰り〜っ」
玄関のドアを開けると、リリスが子犬のようにトコトコと走ってきた。
自分の家の奥から、メイド服の美少女が走り出てくるのは、どこか不思議な光景だ。
「遅かったな。待っていたぞーっ」
ぼすっと抱きついてきた。頬をスリスリしてなつく。リリスの甘い体臭がほんわか香る。
「ごめん。日直だったんだ」
−−ウソついて、ごめん。
克己はリリスの髪を撫でながら、心のなかで謝罪した。
つい一時間ほど前、シスターと別れた。駅ビルのコインシャワーで汗を流したが、まだシスターの肌の感触が残っている。
リリスに気づかれないかと思うとどぎまぎする。

え? なぜこの部分が印象的だったかって?
えーと・・・
まあ、あれですよ。わかる人にはわかるということで(汗)

あー、うー、えーと、あ、そうだ。リリスかわいいよね。(唐突すぎw)


腰がセクシャルに揺れだした。
まるでセックスの最中のように、腰を前後に動かしている。銀髪がサラサラ揺れ、甘い香りが振りまかれる。
まるでエロティックなダンスのようだった。
自由が制限されていることが、彼女を高めているらしい。
克己は、スカートをめくりあげた。
−−真っ白だ……。
黒だったショーツが白に変わっていた。内から溢れる愛液でべっとりと濡れていて、秘唇の形がくっきりと浮かび上がっている。
「い、いやだ……恥ずかしい……」
恥らうしぐさがかわいくて、わざと羞恥を煽るようにして、ショーツをそろそろとおろしていく。
レアチーズケーキのような、お菓子系の甘い香りが漂う。
「あ、あれ……」
うっすらと生えているヘアが、黒から銀色に変わっていた。


銀髪、白のドレス、白のショーツ、銀色のアンダーヘア・・・
そう、これがこの作品の最大の特長ですね。わかつきひかるさんが最も苦心した点じゃないかと思っています。

何かわからないですか?
ネタバレになるので、とても書きにくいのですよ。
でも、まあ振り返りだからいいよね、ということで書こうと思います。

わかつきひかるさんの美少女文庫で、この作品のようなファンタジーって全部で3作あるんですね。
・「お姉さんはサンタクロース!
・「ラブデス 恋する☆死神
それとこの作品です。

お姉さんサンタは、なんだかあまり売れなかったらしく、そんなわかつきさんのコメントを見て、気にしているのだろうなと思っていました。
お姉さんサンタは2005年11月、ラブデスは2006年4月の発売ですから、まだわかつきさんがライトノベルを書く前の作品ですよね。
その後、この作品まで間が開いたということは、一旦ファンタジーものは美少女文庫で書くのをやめたのだと思います。それだけに、美少女文庫だけでなくライトノベルを書きたいと思ったんじゃないかと推測しました。
そして、2006年後半にはいろいろあったようで、それを乗り越えて「AKUMAで少女」が出版されたわけです。

ざっくりというと、こんな流れになりますでしょうか。

それから3年、満を持して書いたファンタジー分野の美少女文庫には、なみなみならぬ意欲を持って臨んだでしょうし、一方、一抹の不安は持っていたんじゃないかな? そう思っています。
それに、この本が出る直前に、「放課後の世界制服」の打ち切りが決まったようですし、一層発売前にいろんなことを考えたのではないかとも感じました。

この淫魔サマは、そんな位置づけの作品だと思っています。
そして、えーと、だからというべきかもしれませんが、お姉さんサンタとラブデスと比較して読むと、なかなか面白いんですよ。
最大の差は、エンド。

前2作とも、わかつきひかる作品ですからハッピーエンドなんですけど、ちょっと切なさも残るエンドです。作品としては、だからこそ面白いのですけど、ちょっと男の実用面での問題はあるかもしれません。

でも、この作品は違いました。完全なハッピーエンドで、相思相愛淫乱カップルエンドといえるものだと思います。
それを象徴するのが、前に指摘した「銀髪、白のドレス、白のショーツ、銀色のアンダーヘア」というわけです。

ええ、この作品は、わかつきひかるさんの、これまでの経験と研究の跡がよくわかる、そんな作品だったなと思います。
ちょっとえらそうに言うとね・・・ 「やるなあ」という感じでしょうか(笑)



それでは、「わかつきひかる」さんを応援するWiki「ボクの女神は淫魔サマ!?」の紹介ページはこちらです。
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