ジュブナイルポルノの読み方の考察

この投稿は、わかつきひかるさんの公式ホームページのこの投稿「ジュブナイルポルノは、小説としてのレベルが低い?」をうけて書いた投稿です。
なお、一部に性的な記述を含みます。そういった記述に嫌悪感をお持ちの方は読まないようにしてください。


参考にしたブログは以下の通りです。

世界文華遺産さん
ネット小説家 vs 商業ポルノ作家?

また、これらの一連の投稿の元記事と思われるブログも参考にしています。
やまねこ日記さん
ジュヴナイルポルノ
続・ジュヴナイルポルノ考
続々・ジュヴナイルポルノ考


はじめに、この投稿は、上記の記事の批評ではありません。いわんや批判では全くありません。
この一連の投稿に触発されて、自分自身のジュブナイルポルノの読み方を分析しながら、ジュブナイルポルノについて少し考察してみたいというのが、この投稿の趣旨です。


さて、いきなりですが・・・
僕は匂いフェチです(笑)
香水とかではなく(注1)、女性の体臭、特にあそこや愛液の匂いとか香り(以下「香り」に統一します)に強く反応するようです(注2)。

ところが、この香りというヤツはとても表現が難しくて、ビデオも、マンガも、写真も香りの表現には不向きです。
小説は・・・ まだ他のよりマシですが、やはり難しいことには変わりがない。というのも、香りそのものを表す言葉、概念がないからだと思います。
そのため、香りを表現するには、その独特の香りを持つ、皆がよく知っている別のものに例えて表現する必要があります。
例えばワインの場合・・・
「香りはアプリコット、レモンのようなさわやかな香り。そして遅れてかすかにクルミの実の香りと乾燥した牧草の香りがかぶさってくる」
こんな感じでしょうか。

女性のアソコの香りも、ワインに負けず劣らずかなり複雑なものだと思います。そういえばよくチーズに例えられますね。チーズはワインにあうんですよ(ってこれは関係ないかw)
個人的にはヤギ乳のチーズの香りを薄くしたものに近いかな、とか思うのですがどうでしょう?
「あそこに顔をうずめると、ヤギのチーズの香りでいっぱいにでなった。遅れてトリュフの香り、そしてかすかなアンモニアの匂い。いっぱい濡れたあそこから愛液をすくってみる。そしてそれを擦りながら乾かしてみると醗酵臭がだんだんと強くなり、どこか乳酸飲料のような酸っぱいような香りが漂ってくる」
「愛液を舌ですくって舐めると、かすかな塩味。舌先にぴりっとバルサミコのような酸味を感じる。そして口から鼻の中へパルメザンチーズの香りが広がっていく」(注3)
えーと、文才がないのはご勘弁くださいね。言いたかったのは、僕はこんなことをすると性的興奮を覚えるようなんですね。ええ、匂いフェチなんです。

さて、ここでふたつ断言できるだろうと思うことがあります。
ひとつは、僕と同じフェチを持った人は世の中に必ずいるということ。つまり上にあげたような文を読むと興奮する人が世の中には必ずいるはずだと思っています。
ふたつめは、そういった文を読むとかえって醒める人がいるということ。非フェチという人たちの存在です。

ジュブナイルポルノを書くにあたって大事なのは、そのフェチを持つ人が多いか少ないか、そしてこれから多くなるかどうか(トレンド)ではないでしょうか。
隠れたフェチを発見する、あるいはトレンドを発見する。それができた人は、ジュブナイルポルノの歴史のひとつを作り、それ以降、ジュブナイルポルノのルールも変わるでしょう。
でもそれは小説のレベルの問題ではなく、マーケティングに属する問題のように僕は思います。


さて、話を元の匂いフェチに戻します。僕のようにショーツに鼻を押し付けて香りを嗅ぎ、そして女性の興奮の変化や愛液が乾いたりする変化などによって香りが変わっていくのが好きだなんていうフェチって、そんなに数多くいないと思っています。
それで・・・なのですが、じゃあこんなかなり特殊なフェチの人間が、商業作品のジュブナイルポルノを読めないかというとそうではありません。

わかつきひかるさんの「ガールズ☆レッスン」から、香りに関する部分の表現を抜粋しています。
ヨーグルトムースの香りが、いっそう強く香った。どこか乳臭くて酸っぱい匂いは、亜矢の股間がべとべとに濡れていることを示していた。

女性のあそこの香りの基本は醗酵臭。たぶんこれは常存菌の活動に起因する匂いなんじゃないかと僕は思っていますけどね。そして膣内が酸性であることからくる酸っぱい香り、これはどっちかというと口に含んだ後の方が強く感じる、いわゆるフレーバーだと思います。わかつきさんの作品では、そういった匂いについても基本はしっかりとおさえられています。
表現はフェチの人間からすると抑え目ですが、だからこそ、そうでない人にもすんなりと読むことができるわけです。

フェチな人間は、上の文章を読んで、自分の好きな香りを想像するのですよ。そしてそれ以降、その行為描写が終わるまで、だんだんと変化するあそこの匂いを行間に読みつつ、頭の中に映像を作っていきます。
そういった観点からすると、匂いフェチであるが故に、かえって表現は控えめなほうがうれしい、というのも、もし自分の好む感覚と違う詳細な描写だと全く興奮しないかもしれないからです。

過ぎたるは及ばざるが如し。

このことわざを思い浮かべますね。


さて、今日は僕のフェチとして匂いフェチを例示して論を進めましたけど、他にどんなフェチがあるかというのを少し列挙してみましょう。

目・口びる・おっぱい・お尻などの身体のパーツ、声、肌のさわり心地、眼鏡っ子とかメイドとかロリのいわゆる萌え属性・・・
萌え属性にはいろんなものがありますよね。
孕ませ属性とか、触手とかもそうなんでしょうね。
そして、僕は心理描写も、ひとつのフェチズムだと思うのです。

確かにジュブナイルポルノは心理描写が少ないなと思います。
ただこれも僕は行間を埋めて、というか、勝手解釈を加えて、自分が興奮するようジュブナイルポルノを読んでいます。

心理面を補うということの詳細は記述しませんが、匂いの場合と同じく、どうとでも解釈できる状況、つまり心理記述がほとんどないという状況であるが故、僕はその作品を自分好みのシチュエーションにして読むことができるのです。

小説の最大のよさは、読者の想像力を掻きたてることだと思います。
作者が重要だと思うエロポイントを大事に書き、それ以外のフェチ要素は大胆にカットし、読者の想像にゆだねる。
メリハリをつけることが重要だと思います。
そして、なにより読者のマジョリティ(多数)とトレンドを優先すること。
これが、僕が思う商業小説とそうでないものとの差なのです。




(注1)
香水がきらいというわけではありません。ただ控えめに使われるほうを好みますし、香調としてはオレンジフラワーとかの香りの方が好きなようです。
ただ、香水はそれをつけていた人とダイレクトに記憶が繋がるらしく、同じ香りを嗅ぐと思い出すので好みが混乱しつつあります。(本来好きな香りであっても、苦い思い出があるとそれを思い出すのがいやで好きでなくなる等)

(注2)
なに書いてんだか(笑) お恥ずかしい。
それに、お前は現実とフィクションの差がわからない人じゃないか。それはまずいよとお叱りを受けたばかりですが、この投稿の文脈上、どうしても自分の性癖の暴露が必要なためあえて書いています。

(注3)
口に含んでからわかる香りのことを、フレーバーといいます。それに対して鼻で嗅いでわかる香りをアロマといいます。
この例示文は、最初の「 」がアロマを表現していて、次の「 」が味とフレーバーを表現しています。
文そのものがへたくそなのはご勘弁ください。