(GA文庫)「蒼海ガールズ!2」感想

蒼海ガールズ!2 (GA文庫)蒼海ガールズ!2 (GA文庫)
著者:白鳥 士郎
販売元:ソフトバンククリエイティブ
発売日:2009-11-15
おすすめ度:5.0
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この表紙の猫耳の黒髪の少女(?)は、主人公のシューたんです。
1人の男の娘と、200名の女ばかりの乗組員という、超ハーレム帆船の物語です。

なーんて書くと、単にエロいだけの物語に思えますけどね。

これはすごい! 前作の「蒼海ガールズ」も面白かったけど、この作品は本当によく作りこまれた海洋冒険小説だよ。
ホントに。

前半はね、赤道祭なる乱痴気騒ぎに、鯨がぶつかって沈没しそうになるとかいう、コメディ展開なんですけど。
そして、場所を無人島に移して、更なるハーレムな日々が(笑)
まあ、傾船修理というとても大変なことをするのですけどね。
この女性船員たちは本当にすごいね。
そしてそういった女性に囲まれて、大事にされる。

男だったら悶えそうになるだろ、普通、これは!

そして無人島の探検。
これぞ無人島生活の醍醐味・・・ 
っていうか、やるのは女性乗組員なんだけどね。
一人しかいないヒーローに自分を重ねて、女性ばかりを従えて冒険だあ。
わーい、これぞ男の夢〜

ロビンソンクルーソーハーレム版な日々が続き、よい匂い(女性の匂い)に囲まれて、そのまま一生住んでしまいたくなる雰囲気が漂う中、というか、もうこんな経験したら死んでもいいって思うよね。普通。
このまま物語が終わっても、全く異論ありません状態なんですけどね。まあ、そんなわけにいかず事件が勃発します・・・
その島を根拠地にしている海賊(私掠船)が帰ってくるのです。

船の修理は終わっていない。
重い大砲は全て船から降ろしている。
出港準備に時間をかけると、身動きがとれなくなって拿捕される。
拿捕されれば・・・ (乗組員女だらけなんだよ・・・)

絶体絶命のピンチ。
よくプロットされていますよね。
そこから怒涛の展開、そしてどんでん返しが何度も発生。

最後の作戦なんて、普通こんなことうまくいかないだろうみたいな作戦なんですけどね。そして物語でもうまくいかないのです。
万事窮すと思ったとき、最後のどんでん返しが。

そうね。有利なポジションからの砲撃だし、古今東西、陸上砲台対艦船は、陸上砲台有利と言われているし、陸上からは全門斉射できるけど、船は片舷のみだものね。
とても合理的な一方展開に持ち込み、圧倒的な勝利。

すごいプロットですよ。これは。
最後の海戦は、まさに駆け引き、騙しあい、作戦の勝負。ぞくぞくってきたもの。

萌え分十分、というか過多。
しかし、本格的な海洋冒険小説のこの作品。
1巻目よりさらにパワーアップしています。一押しです。

本当にメディアミックスでアニメとしてこの作品を見てみたい。
いい作品だと思います。


(ご参考)
前作「蒼海ガールズ」の感想はこちら