「突然マルサがやって来た」読みました。感想です。

わかつきひかるさんの公式ホームページに投稿があったので、この本(突然マルサがやって来た)を読んでみました。


突然マルサがやって来た!~FXで10億円稼いだ元ヒルズ族社長の絶頂と貧民転落~突然マルサがやって来た!~FXで10億円稼いだ元ヒルズ族社長の絶頂と貧民転落~
著者:磯貝 清明
販売元:小学館
発売日:2009-11-27
おすすめ度:5.0
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わはは。馬鹿だよね〜、この人。

(関西圏にお住まいの方はこちらの表現でお読みください)
わはは。あほちゃう、この人。

「馬鹿」(関西向けにはあほ)と言っていますが、半分ぐらいほめ言葉です。
FXによる利益を申告しなければならないと知らなかったのでしょうね。
(ということにしておきましょう)
じゃなければ、
六本木で豪遊→目立つ→国税目をつける→納税実績をみる→おかしい→がさ入れ
って、まあ普通にそうなるでしょう。それがわかっていたら、もっといろんな方策を考えたでしょうしね。節税対策をちゃんとやっていればこんなにならなかったのに、という意味で「馬鹿だね〜(あほちゃう)」と申し上げました。儲かっているときに税理士さんの友達がいればよかったのかもしれませんね。
まあ、そんなこんなで、成り上がり→凋落という、読んでいてとても面白い物語が生まれた訳です。

それで、なんですけど、たぶん磯貝さん数年で完済すると思いますよ。
この本にはあえて経済や市場の仕組みなんて難しい話題を入れていないですけど、十分それを踏まえて投資(投機)しているようにみえますよね。
だから儲かるわけで。

ちょうど、この本を書いていた(ゴーストライターかもしれませんが)秋ぐらいというのは、若干円安に戻したころだから、利益もでやすいかったでしょう。ちょっとした鼻息の荒さみたいなものは、行間から感じますよね。
今、アメリカの経済指標が意外とよくって、ドルキャリー取引の巻き戻しがとりざたされていますけど、もしこの状況が続き、円キャリー取引が復活したら、磯貝さん大きく儲けていきますよね。
ブログ(磯貝清明の納税ダイアリー)には10月収支までしか出ていませんでしたが、11月は損を出し、12月は取り戻したという状況じゃないかと思っています。
本業のスクラップ業も、最近、銅とかアルミとか上がっているみたいですよね。だんだんと環境がよくなっているみたい。そちらも業績がよくなっていくのでは? と思います。
原因はやはり中国のもよう。


なんていうかな、一度自分のお金を大きく動かすようになると、金銭のものさしというのかな、それが変わると思うのですよね。
今、お金がないとしても、そのものさしはそのまま残ると思います。もし仮に僕も会社の経営をおかしくして路頭に迷ったとしても、もう一度がんばれば今と同じくらいのお金は動かせるって思うでしょう。たぶん磯貝さんも1億6000万円の借金って大変だと言いつつ、どこかでまた稼げるよという思いがあるから、あまり動じていない。
本を読んで磯貝さんと僕との間は10倍ほど感覚が違うかなと思いました。皆さんもそれくらいの差じゃありません? 月80万円のコンドミニアムは気が遠くなりそうですけど、月8万円のマンションならば、どうでしょう? (地方の方に・・・ 東京のワンルームマンションは平気で月8万ぐらいはするのですね。念のため)
じゃあ、借金ですが、自分に置き換えて10分の1の今1600万円の借金を抱えてしまったと考えてみると・・・
ちょっと大変そうだけど10〜20年ほどがんばれば、なんとかなるかもなという感覚があるのですね。自殺しようとは考えないでしょう。少なくとも一生かけたらなんとかなると思います。
まあ、そう考えると磯貝さんのその(普通人の10倍のものさしを持っている)金銭感覚がすごいのですけどね。こういった時はよい方向に影響しているようです。


磯貝さんにとっては、円キャリーが復活して円安基調になる & アメリカの投資銀行業務が復活 & 中国など新興国の経済成長が続く、これが望ましい経済環境ですね。
アメリカの銀行も業績を回復してきているみたいですし、中国は大型の景気対策が効果を発揮してかなりの経済成長を達成していますし、先行き明るそうにも思えます。(注)

うーん、となりの芝生は青くみえるのかしら。
僕の会社は、春に向けて業績が一旦下がるという見通しを持っているだけに、ちょっとうらやましい・・・


まあ、そんなこんなで、わりと楽しく読めた本でした。

最後に・・・
皆さん、税金ちゃんと納めましょう。
お金儲けて、税金払わなくてもいいのは、宝くじとかTOTOとかだけです。
ただ、やりようで納める金額が大きく変わりますので、俺儲かったよ・・・といううらやましい方は、税理士さんに相談した方がいいと思いますよ。
では。


(注)
中国の市場相場の上昇(株式市場など)については、資産バブルの発生を取りざたしている論も散見されるようになりました。そういったバブルはいつかはじけるというわけです。
僕も中国の相場の上昇と雇用(あまりよくない)のギャップから鑑み、これ(相場の上昇)は経済対策の効用を除いた真の実体経済の成長を伴っていない部分が大きい、つまり今バブルが発生しているとみていて、これはいつかはじけるだろうと思っています。問題は、いつそれが起こるかということと、どれくらいの痛みが発生するかということです。しかし、これは全くわかりません。
相場というのは、もともとバブルができやすいものですし、バブルがはじけるまではバブルに乗る(順目に相場をはる)ことで利益がでますから、いわばチキンレースとかババ抜き的様相もあるのですね。(注2)
この文章の文脈からすると、僕が中国の経済成長に全く不安を持っていないようにとられかねないなと思いましたので、追記しておきます。

(注2)
バブルがはじける場合には、例えば株の場合、借株をし、その株を空売り先物取引で売却する)しておくと、バブルのはじけ方が大きければ大きいほど儲かります。
なにをいいたいかというと、株式投資とかは、ババ抜きゲームのようであっても、ババをほしがる人がいるということです。そういう人はバブルがはじける方向へ影響がでる投資(投機)活動をします。
そんなこんなでいろんな人の複雑な思い、行動の結果、相場が決まっていきますので、バブルがいつはじけ、どれくらいの痛みになるか、僕には予測できないのです。