(ティアラ文庫)「契約のキス」感想

契約のキス 大富豪と貴族令嬢 (ティアラ文庫)契約のキス 大富豪と貴族令嬢 (ティアラ文庫)
著者:永谷圓 さくら
販売元:フランス書院
発売日:2010-03-05
おすすめ度:3.0
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べたです。作者もあとがきで書いていますけど、コテコテです。
ハーレクィンみたいな王道ラブコメということです。

ひねりもないし、物語平坦ですし、エッチシーンの連続なんですよ。

でもね、僕、この作品好きです。
これだけべたな作品をいいとかいうと、お前頭ん中砂糖菓子でできているだろ!とか、まともな小説読んだことあるんかい!とかの批判があると思うのですが、でも仕方がないじゃないか! 好きなもんは好きなんだと開き直るつもり。

けなげにがんばる女性キャラがつぼなんですよ、僕。
謙虚を通り過ぎて、おどおどとしている立居振舞は減点要素なんですが、でも逆境にめげずがんばる女性キャラには、めっぽう弱くって、もうだめという感じ・・・

というわけで、この作品については、僕の好み加算の影響で、評価はお読みいただいている方のご参考にならないと思います。

特にね・・・
手が荒れている描写のくだり、そしてそれを気にしているところあたりは、もうつぼ中のつぼ。もうアウトです。
まだ僕も若かったとき、つまり恋愛市場において、ほんの少しとはいえ、まだ市場価値があったころ、女性に初めて会うときには、必ず手を見ていました。
手フェチではありません。手のひら側を見てました。手が荒れている人がよかったんですね。たぶんそれは家事とかで水を扱うから荒れているのだろうと思っていまして・・・
こ〜んなこと書くと、ジェンダーな人から袋叩きに遭いそうだけどね(笑)
マニキュアは好ましく思いますけど、つめにごてごてデコレーションしている人は今でも苦手です。偏見だとの謗りは甘んじてうけます。

そんなわけで、ジュリアがかわいいのよ。
萌えます。

えーと、この小説、女性向けですよねぇ。
男性読者を萌えさせて、意味あるんだろうか・・・
ちょっと考えることしばし・・・

いやあ、こういった純な女の子で堅実な女の子を、お金で買って、うひひ、えっちぃことで調教していくって、これは男の夢なんじゃなかろうか。
本当にこの作品は女性向けなんだろうか。
考えることしばし・・・

今の女の子にも玉の輿願望ってあるのかなあ。これは典型的な玉の輿物語ですよね。こういうべたでコテコテな作品に需要があるのかどうかわかりませんけど、男的には「大いにあり」です。
ほんと。

正直にいうと、男性読者的には、ようやくこれから、緊(ぴー、自主検閲)、無理(ぴー、ぴー、ぴー)、(ぴー、ぴー)堕ち(ぴー、ぴー、以下略)
いやあ、そういった展開を希望したいところなんだけど、まあそれは読後の妄想で楽しむことにしますです。
(我ながら、ろくでもなさにいささかあきれていますけど)

女性読者はどうなんでしょうね。
この物語の終わったあとのさらに爛れた関係を僕は期待していますけど、それは女性も同じなんでしょうか。
もしそうだとすれば、この作品はおきに召すはず・・・

個人的な好みだと重々承知しておりますが、僕はこの作品をおすすめに入れます。


追記
わかつきひかる」さんの「王子が恋する女神姫〜薔薇と陰謀の舞踏会〜」の記事(感想など)を書いています。ページはこちらです。
また、そちらには、これまで書いた既刊のティアラ文庫の感想へのリンクもはっています。
ぜ ひご覧ください。