わかつきひかる作品の昨年を振り返る(5)「To LOVEる-とらぶる-危ないガールズトーク」(後)

さて、ワカツキヒカルさん、こと、わかつきひかるさんの、「To LOVEる-とらぶる-危ないガールズトーク」ですが、印象深い場面をピックアップします。


To LOVEる―危ないガールズトーク (ジャンプジェイブックス)To LOVEる―危ないガールズトーク (ジャンプジェイブックス)
著者:ワカツキ ヒカル
販売元:集英社
発売日:2009-08
おすすめ度:3.0
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沙姫はひるんだ。
−−怖がっちゃダメッ。私は天条院沙姫ですわっ!! 天条院劉我の娘なのよっ。
両手を伸ばし、少女をきゅうっと抱きしめる。
「私(わたくし)はサラセニアちゃんが好きよ」

優しさと矜持。ノブレスオブリージュ。これが沙姫さんの魅力ですよね。
踏みとどまる強さ。目的の利他性。
それが、ぎゅっと詰まったシーンだと思います。

えーと、本編の方の
沙姫さんって、ザスティンとの話でなんだかいじられキャラになっていますけどね。凛と綾という二人からの心からの忠誠を受け止めているわけで、それはその裏に必ず他人を思いやる心があるからだと本編を読みながら感じていました。
この小説は長谷見先生の監修をうけているわけですから、
沙姫というキャラの二面性にお墨付きをえたというか、ようやく公式なものになったなと、とてもうれしかったですね。


「ええ、その通りですわ。私は魚やお肉に感謝しておいしくいただき、百年だって生きてあげるつもりよ。だって私以上に美しく優秀な人間はいないのですから。私は地球の、いいえ宇宙の財産なのですものっ!」
沙姫は手の甲を口にあてると、高笑いをはじめた。
「ほほほっ、ほほほーっ、ほーほほほーっ」

宇宙の財産ですか・・・。
あははっ。こんなところが
沙姫さんらしいって思うのですけどね。
自尊心は強いけど、おっちょこちょい。
毅然としているけど、優しい。
高笑いをする一方、好きな人の前では猫をかりたようになる。
二面性こそ、
沙姫さんらしさ。
ええ、こんないじられ愛らしい
沙姫さんって、いいですよね?



さて、ちょっと話題が変わりますけど・・・

To LOVEる-とらぶる-画集らぶから!―愛蔵版コミックス
著者:矢吹 健太朗
販売元:集英社
発売日:2009-12
おすすめ度:4.0
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「らぶから!」買いました。
もうアマゾンにも在庫ないみたいですね。すごい売れ行き。
中身ですけど、なかなかいいというか、すごいですよ。
矢吹先生は、手で絵を描き、手で彩色するのですね。(いや、くわしくはないのですが、冬川さんもそういっていたし、この本を見るとたしかにそう思えます)

またこの本でわかったことですけど、この「危ないガールズトーク」の表紙って、ララちゃんのドレスフォームのおなかのところの四角ですが、誤ってひとつ多く描いたようです。
見てみると・・・ 確かに・・・
でも意外と気づかないものなんですね。

この1月から、ジャンプスクエアで矢吹先生の「迷い猫オーバーラン」も始まるようです。
矢吹先生、がんばってくださいね。
それから、とらぶるの続きもぜひぜひに。
で・・・ 小説版の2巻目も出してもらえるとうれしいな。


前編はこちらから。



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